岡山県内でもこんなに違う?知っておきたい地域特有の風習|吉備津・一宮地区編

<この記事の要約>

  • 岡山県の葬儀では岡山特有の風習がありま
  • 知っているだけで出費を最小限に抑えられる風習がありま
  • 地域によっては事前準備の欠かせない風習があります

きびつホールのある吉備津エリアは、備中高松と備前一宮とのちょうど境目。岡山の東側と西側の風習が混ざり合う地域です。ここ数年は家族葬が増えましたが、吉備津エリアは比較的、昔ながらの風習が残る地域でもあります。

そこで今回は、吉備津エリアで馴染み深い風習を中心に、岡山全体の風習をきびつホール支配人・結縁(ゆうえん)が紹介します。

目次

地域のつながりが深い吉備津・一宮地区特有の風習

「講中(こうちゅう)」によって仕様が違う?

「講中」をご存じでしょうか? 若い方は聞き慣れないかもしれませんね。講中とは町内から大字、小字と分かれ、さらに細分化した、地図にも載っていない地域の集まりを指すもので、宗派によっても分かれます。

ちなみに、きびつホールのある場所の講中名は「五軒家西」。吉備津エリアは農家が多く、農家は講中のつながりで成り立っていることから、講中のつながりが濃いのも吉備津エリアの特徴です。備中高松や岡山の西側でも講中の名残ある地域はわりと多いです。

昔は、お葬式といえば葬儀会社でなく、講中が一切を取り仕切るというのが当たり前でした。今でも講中の方が葬儀を先導されている地域はありますし、受付だけは講中の方にという地域もあります。講中によっては大手まんぢゅうが必要、ビールだけでなく日本酒も必要など、準備するものが違ったり、葬儀に集まる人数が違ったりもします。

地域によって講中のつながりが深く、配慮すべきことも多いので、講中さんへの確認は必須というケースも。お問合せをいただいたお客さまには、私たちもまず「講中さんを呼ばれますか?」と確認します。

お互いさまで「香典返し不要」の地域も

香典を受け取っても、香典返しを準備しなくていい地域があります。ご近所同士、持ちつ持たれつ、お互いさまの精神から生まれた風習です。ただ、ちょっとややこしいのが地域によって細かく違うこと。西辛川や吉備津、一宮では、香典返しの必要な地域と不要な地域が混在しています。隣同士の地域なのにこっちは必要で、あっちは不要といった場合も。昔は弔問客の多い葬儀だと、故人の地域用の受付と、故人の地域外用の受付の二つを設けることがありました。地域によって香典返しの要・不要が分かれるからです。今では芳名帳で判断することが多いので、受付にお立ちいただく方にもそういった事情を詳しく説明しなくてはなりません。

ご家族に余分な出費をしていただくことのないよう、私たちも香典返しが不要な地域はある程度把握していますので、その点はご安心ください。

「枕経(まくらぎょう)」はご近所さんと

亡くなってすぐ、最初に上げるのが「枕経」です。故人に「自身が亡くなったことを理解してもらうため」、お通夜よりもまず先に行います。

もともと岡山では、お寺さんに来てもらうのは葬儀と、枕経か通夜のどちらか。通夜に来てもらうと枕経ができません。でも枕経をしないと故人がちゃんとあの世に行けないんじゃないか…じゃあ自分たちで上げよう、というところからご近所が集まり、家族とともに枕経を上げるようになりました。

「枕経だけは必ず来てもらわにゃいけん」と言われる地域もあれば、枕経だけでお葬式は遠慮してもらうといった地域もあるほどです。地域によっては、葬儀や通夜よりも大事にされているのがご近所さんとの枕経です。

吉備津・一宮地区以外でも見られる岡山特有の風習

藁を投げて家を燃やす?

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屋根へ向かって藁を投げ、出棺と同時に藁を燃やす。知らないとちょっと驚きますよね。数はずいぶん少なくなってきたものの、行っている地域は今もあります。とはいえ今では、藁を燃やすのは屋根から下ろしたあと。でも、昔は本当に屋根の上で燃やしてたんです。

故人が間違ってこの世に帰って来ないよう、迷わずあの世へ行けるよう。疑似的に家を燃やすことで、「帰る場所はここじゃないですよ」「帰って来てももう家はないですよ」と「故人に知らせる」ためなんです。

お盆の送り火のように、「故人を送り出す灯火(ともしび)」として行う地域や、その両方の意味合いを込めて行う地域も多いようです。どちらにしても故人を思って受け継がれている風習ですね。

「立飯(たちはん)」で腹ごしらえ

「お葬式の前に巻き寿司を食べる」という岡山特有の風習、それが「立飯」です。もともとは葬儀の準備を手伝っていただく方々に「まずは腹ごしらえを」と、ふるまわれていた食事で、「片手で食べられ」「見栄えがよく」「腹にたまる」ことから巻き寿司に。今では、「お葬式の前に巻き寿司を食べる」こと自体が習慣化していて、吉備津エリアは特に立飯のご要望が多い地域でもあります。

午後からの葬儀など、時間帯によってはその場で食べないこともありますが、涼しい季節であればお持ち帰りいただけることから、今でもご用意されるケースが多いです。人数の把握や事前案内など、予め準備の必要な風習の一つですね。

きびつホールから皆さまへ

事前準備と情報収集で悔いのないお見送りを

今回紹介したもの以外にも、地域によって細かな風習はまだまだたくさんあります。ただ、その風習の多くは人と人とのつながりから生まれたものであり、ご近所付き合いの延長線。絶対しないといけないことではなく、するかどうかはご家族の判断です。たとえしなくても、予め地域の風習を知ったうえでの配慮があれば、思いがけない誤解やご近所トラブルは避けられます。ご家族はもちろんですが、故人とつながりある地域の方々も悔いなくお見送りができるよう情報収集をおすすめします。

また最近では、県外在住の40代、50代の方が喪主をお務めになるケースが増えています。長らく地元を離れていると、地元での葬儀に参列する機会がなかったり、親が葬儀に出ていること自体知らなかったり、という方も多いですよね。よく知っている地元の方々に相談するのも一つですが、「聞いた手前、やらないといけなくなってしまった…」という話もありますので、まずは私たち地元の葬儀会社にお気軽にご相談いただければと思います。


岡山県内に13ホールを展開している「さくら祭典」では、地域の風習を理解した地元出身のスタッフが、あらゆる角度からご提案させていただきます。葬儀の風習やしきたりに不安を感じたら、お気軽にご相談ください。
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